JBFAの組織ガバナンス
1. JBFAにとって、ガバナンスとは
「ガバナンス」にはさまざまな意味がありますが、JBFAでは以下のように位置付けます。
・組織が適切かつ健全に統治されていくために必要な、チェック&コントロールが効いたシステム
・内部の関係性と、外部のステークホルダーとの関係性が含まれます
2. ステークホルダーとのガバナンス
JBFAには法人格を維持していくために遵守すべき法律や報告があったり、日本代表を組織し国際大会に派遣していくための従っていく規則などがあったりします。さまざまな組織とコミュニケーションを図り、外部視点で適切にチェック&コントロールを受けること、あるいは、説明を果たしていくことで、ガバナンスの効果を維持します。
A) NPO法人として
JBFAは「特定非営利活動法人」という法人格を有して活動をしています。NPO法人は、NPO法人法によって位置付けられ、JBFAは主たる事業所のある東京都によって認証されています。そのため、東京都に対し、定期的な事業報告、財務報告を実施し、法人としての適切性を監理いただいています。
B) 中央競技団体として
スポーツの日本代表を組織したり、競技レベルの高い競技会を開催したりすることは、国内で中央競技団体として認識される必要があります。JBFAは「男子ブラインドサッカー」「女子ブラインドサッカー」「ロービジョンフットサル」3つのカテゴリーにおいて日本代表を組織し、また、それらを組織できる唯一の組織です。
それらを監理するのが、JPSA(公益財団法人日本パラスポーツ協会)であり、JBFAはJPSAに適切な届出、事業報告等を行うほか、スポーツ界として従うべきルールなどを指導いただいています。
C) パラリンピックスポーツとして
「男子ブラインドサッカー」はパラリンピックの正式種目です。パラリンピック種目を有する競技団体は、JPC(日本パラリンピック委員会。JPSAの内部組織)に登録し、パラリンピック出場に必要な手続きや遵守事項に従っていくための指導を受けています。
D) 視覚障がい者スポーツとして
視覚障がい者スポーツは、国際的には国際統括団体であるIBSA(国際視覚障害者スポーツ連盟)によって統治されています。IBSAに加盟しているのはJPCとなり、JBFAはJPCを介して、ないし、協調して、IBSAとコミュニケーションを図っています。
また、IBSAはサッカーのみならず、柔道やゴールボール等、複数の視覚障がい者スポーツを統括しています。サッカーに関する事案に関しては「IBSA Football Committee(IBSAフットボール委員会)」が統括しています。同委員会との連携、協調はJBFAが図っています。
なお、IBSAの理事には2017年から、IBSAフットボール委員会の委員には2013年から、継続してJBFAより人材が選出されています。
E) サッカーファミリーとして
国内のサッカー界との連携においては、2016年にJIFF(一般社団法人日本障がい者サッカー連盟)が設立され、7つの障がい者サッカー競技統括団体が加盟し、サッカー界との連携を図っています。
JFA(公益財団法人日本サッカー協会)とは、JIFFを通じて情報共有、連携が図られています。
JBFAは、中央競技団体としてはJFAに登録しているわけではなく、JPSAに監理されていることになります。
F) 福祉において
JBFAでは、視覚障がい者を対象とした福祉事業も展開しています。これらは東京都の認証を受けており、福祉事業所としては東京都に監理されています。
G) 国際貢献として
国際的な視覚障がい、ないし、視覚障がい者スポーツとの連携、貢献においては、JBFAが2019年に設立に関わったIBF Foundation(一般財団法人インターナショナル・ブラインドフットボール・ファウンデーション)があります。これは、監理関係ではなく、連携協調し、国際的な貢献を図っています。
3. 組織統治の体制
JBFAという組織そのものの統治の体制として、以下のような体制をもち、意思決定およびチェック&コントロールを維持、推進しています。
A) 総会・理事会体制
法人としての「社員」によって構成される総会において、理事が選出されます。また、総会にかかる理事候補者は、外部理事によって組織される「指名報酬委員会」によって選考され、外部の視点が必ずはいるプロセスになっています。
理事は、経営取締機能を担い、法人法と定款で定められた決議事項や経営の重要な項目について議論、意思決定がなされます。また、理事には常勤か非常勤かに応じて最大任期が設けられ、経営層の新陳代謝が促される仕組みになっています。
B) 外部理事・監事体制
理事会は2012年より外部理事を中心とした経営取締機能を軸とした組織となり、日常の経営執行を監督します。外部役員比率は75%(2022年4月現在)となっています。
監事は会計監事と業務監事を設置し、財務・会計に関する監理と、内部統制の監理を担っています。
C) 経営執行体制
経営の執行にあたっては、理事から「常任理事」を選出し、頻度の高い常任理事会を実施し、迅速な意思決定、事業推進を図っています。
常任理事会には、内部職制としての執行役員も参加し、実務と経営の融合を図っています。また、業務監事も参加し、意思決定が統制されているか監理しています。
D) 権限について
JBFAは依然小さな組織ですが、適切な業務執行を推進するため、決裁権限の明確化に努めています。会議体および職位に応じて権限を有し、内部のガバナンスが効果を持つよう図っています。
NF(中央競技団体)としてのガバナンス
スポーツ団体ガバナンスコード
スポーツ団体ガバナンスコードは、スポーツ団体が適切な組織運営を行うための原則・規範として中央競技団体(NF)向け及び一般スポーツ団体向けに策定されました。JBFAでは2021年10月より自主的な情報公開を行っています。
スポーツ団体ガバナンスコードについて(スポーツ庁サイト)https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop10/list/1412105.htm独立委員会
JBFAは、2022年4月から、競技団体として求められる独立した機能を「独立委員会」と定義し、その活動推進と運営管理のために「独立委員会事務局」を設置しました。中央競技団体として、必要なガバナンスを担保するため、独立委員会事務局では現在3つの委員会(倫理・コンプライアンス委員会、利益相反マネジメント委員会、アスリート委員会)の管理運営をしています。組織の規模を鑑み、効率的な情報共有をはかり、迅速な委員会運営を行うため、各委員会の外部有識者委員は一部重複しています。
倫理・コンプライアンス委員会
倫理・コンプライアンス委員会の役割:
倫理・コンプライアンス委員会は、「倫理・コンプライアンス規程」に定められた目的を対象者が遵守することを目的に、規程の整備や事案発生時は理事会の諮問機関として機能することを目的に活動しています。
第1条 目的
1.1 本規程は、特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会(以下「本協会」という)の関係者が、遵守すべき基本事項を定める。
1.2 本規程は、次の事柄を達成することを目的とする。
1.2.1 関係者が、本協会の社会的使命と役割を自覚し、この規程の理念が具体的行動と意思決定に生かされるように図る。
1.2.2 本協会に対する社会的な信頼を確保するために、事業執行の公正さに対する社会からの疑惑や不信を招くような行為の防止を図る
1.2.3 競技規則を遵守し、質の高い競技、及び大会運営等を行う。
活動実績:
・懲罰規程の改定
・報罰手続規則の策定
牛島 利明 慶應義塾大学 商学部 教授 (外部有識者)
佐藤 正道 アクセリード株式会社 執行役員 CCDO (外部有識者)
前田 智弥 長谷川俊明法律事務所 弁護士 (外部有識者)
塩嶋 史郎 特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会 理事長
松崎 英吾 特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会 専務理事
利益相反マネジメント委員会
利益相反マネジメント委員会の役割:
JBFAには幅広く多様なステイクホルダーが存在します。そのような中で、健全に組織を経営し、活動を担保し、継続していくためには、私たちの責務や公共の利益を損なうことがないよう、利益相反に注意深い組織を築き、適切にマネジメントする必要があります。利益相反マネジメント委員会は、利益相反マネジメントポリシーに則り、協会で定義する対象者に利益相反が疑われる場合、理事会の諮問機関として提言をします。
牛島 利明 慶應義塾大学 商学部 教授 (外部有識者)
佐藤 正道 アクセリード株式会社 執行役員 CCDO (外部有識者)
前田 智弥 長谷川俊明法律事務所 弁護士 (外部有識者)
塩嶋 史郎 特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会 理事長
松崎 英吾 特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会 専務理事
アスリート委員会
アスリート委員会は、アスリートの意見を集約し、当協会の事業活動にその意見を生かし、当協会のビジョンとミッションの発展に寄与することを目的として、2022年4月に発足しました。アスリート委員は、強化指定選手や育成指定選手等のエリートアスリートに加えて、クラブチームで活動するフィールドプレーヤー、ゴールキーパーとして活動する選手や、外部有識者で構成されています。アスリート委員は、アスリート委員会運営規程に定める、選手強化、パラリンピックムーブメントの推進、その他当協会の事業活動における、アスリートの関与に関すること、アスリートを守り、支援する活動に関すること、アスリートへのアンチ・ドーピング、クラス分け、コンプライアンス等の啓発活動に関すること、その他関連団体のアスリート委員会との連携に関することなどを協議し、理事長を通じて理事会に提言する役割を持っています。
活動実績:
2022/7-2024/2 アスリート委員会の開催(4半期に1回)
2023/1-3 勉強会4回(JBFAについて、コンプライアンス、ビジョンなど)
2024/2 理事会への活動報告実施
2024/4/1 第二期アスリート委員会発足
2024/6/12 第二期アスリート委員会 第1回委員会(オンライン開催)
内容:
・第二期アスリート委員会活動への期待とについて(塩嶋理事長)
・第二期委員顔合わせ(第一期からの継続委員/第二期から選出の委員)
・第一期活動の共有と説明
・第二期委員長選出ほか
2024/7/17 第二期アスリート委員会 第2回委員会(オンライン開催)
内容:理事長挨拶、委員交流、副委員長選出、次回以降の活動計画について等
丹羽 海斗 ブラインドサッカー男子日本代表強化指定選手/ free bird mejirodai
竹内 真子 ブラインドサッカー女子日本代表強化指定選手/ 兵庫サムライスターズ
岩田 朋之 ロービジョンフットサル日本代表強化指定選手/ CA SOLUA 葛飾
森田 翼 育成トレーニングパートナー/ 品川CC パペレシアル
橋口 史織 ブラインドサッカー JBFA正登録クラブ/ ラッキーストライカーズ福岡
野口 芳彦 ブラインドサッカー JBFA正登録クラブ/ buen cambio yokohama
渡邉 道治 ブラインドサッカー JBFA正登録クラブ/ 乃木坂ナイツ
加渡 主悟 ロービジョンフットサル JBFA正登録クラブ/ CLUB VALER TOKYO
牛島 利明 外部有識者/慶應義塾大学商学部 教授
前田 智弥 外部有識者/長谷川俊明法律事務所 弁護士
独立委員会によるその他の活動
活動実績:
2023/4/15 「コンプライアンス研修」実施 (クラブチームミーティング)
(独立委員会 外部有識者委員 長谷川俊明法律事務所 前田智弥弁護士)
2024/4/20 「コンプライアンス研修」実施 (クラブチームミーティング)
(独立委員会 外部有識者委員 長谷川俊明法律事務所 前田智弥弁護士)
NPO(特定非営利活動法人)としてのガバナンス
JBFAは定款に、(1) 競技事業、(2) 大会事業、(3) ダイバーシティ事業、(4) 障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業、(5) 介護人材の育成事業、(6) その他目的を達成するために必要な事業、を遂行することで、自身のビジョンを達成する」ことを定めています。協会独自で決めた制度に加え、NPOのガバナンス認証を行う外部団体の視点をいれることで、カバナンスを強化していきます。
グッドガバナンス認証の取得
JBFAは公益財団法⼈ 日本⾮営利組織評価センター(東京都港区、理事長:佐藤大吾、以下JCNE)が提供する組織評価・認証制度である「グッドガバナンス認証」を取得し、2024年3月27日に公表しました。「グッドガバナンス認証」は、適切なガバナンスを行っている組織であると認められたNPOに付与され、NPOを支援したいと考えている市民、企業、助成財団、行政等が、信頼できるNPOを探したり、応援したい団体が信頼できる団体かどうかを確認する際に「信頼性の証」として活用されています。
JBFAによるプレスリリース
JCNEによるプレスリリース